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足場の業務に必要な資格・持っていると有利な資格とは!?

 

足場関係の資格にはさまざまな種類があります。
技術力を認定するものもあれば、業務をする上で必須の資格もあります。
ここでは足場業務に関連する資格の主なものをご紹介します。

 

足場の組立等作業従事者特別教育

足場からの墜落・転落事故を防止するため
足場の組立、解体、変更に関わる人は受講していなければならない資格です。

 

特別教育の講義を受講後発行される修了証を受領することで取得することができ
経験者と未経験者で受講時間が異なります。

 

平成27年の労働安全衛生規則の一部改訂に伴い
足場の組立て等の業務する方を対象として特別教育の受講が義務付けられました。

 

受講資格は特にありませんが
足場の組立、解体、変更に従事する方は必ず受講していなければ作業をすることができず
資格の無い者が足場の組立て等を行うと罰則の対象となってしまいますので
事業者は作業員全員が受講できるよう環境を整える必要があります。

 

 

講習内容

足場及び作業の方法に関する知識:3時間
工事用設備・機械・器具・作業環境等に関する知識:0.5時間
労働災害の防止に関する知識:1.5時間
関係法令:1時間

 

 

足場の組立て等作業主任者

足場の組立て等作業主任者は労働安全衛生法に定められた国家資格です。

 

つり足場、張り出し足場、高さ5メートル以上の足場の組立て・解体、それに付随する作業を行う際に
事業者は労働災害防止などを目的として足場の組立て等作業主任者の有資格者を選任し
その者の指揮監督のもとに作業を行わなければなりません。

 

受験資格は満21歳以上で足場作業に3年以上従事した経験を有する者
または満20歳以上で大学、高専、中学において土木建築または造船に関する学科を専攻し
その後2年以上足場作業に従事した経験を有する者です。

 

その他、経験により受講科目が免除されることがあります。

 

 

講習内容

作業の方法に関する知識:7時間
工事用設備・機械・器具・作業環境等に関する知識:3時間
作業者に対する教育等に関する知識:1.5時間
関係法令:1.5時間
学科試験:1時間

 

 

足場の組立等作業主任者能力向上教育資格

事業者が作業主任者などに対して実施するように定められている安全衛生教育です。

 

労働安全衛生法では足場等の組立・変更時等の点検実施者は
足場の組立等作業主任者能力向上教育を修了している等
十分な知識と経験を有する者を指名するよう要請されています。

 

点検実施者の指名について法令上は資格に関する定めはないものの
今後現場で資格の必要は高まると言われています。

 

受講資格は足場の組立て等作業主任者の修了から5年程度経過している方
能力向上教育を受講してから5年程度経過している方です。

 

基本的に作業主任者のみを対象とした講習です。

 

 

講習内容

最近の足場、部材等及びそれらの選択と管理:1時間
足場の組立て等安全施工と保守管理:4時間
災害事例及び関係法令:2時間

 

 

仮設工事施工安全監理者

建設現場において足場の安全点検を実施するために
必要な専門知識を認定する資格です。

 

仮設工事施工安全監理者は足場点検のプロとしての能力が認定されます。

 

受講資格は
「足場の組立て等作業主任者」
「計画作成参画者」
「建築士(一級・二級・木造)」
「建築施工管理技士(一級・二級)」
「土木施工管理技士(一級・二級)」
「技術士・技術士補(建設部門)」のいずれかをお持ちの方です。

 

「共通科目」と「専門科目」の講習を受講後、学科試験に合格することで取得することができます。

 

 

講習内容

共通科目
第1~3章 概説、労働災害の現状・行政の取組み、組合の目的と安全事業
組合が推奨する仮設安全機材装備の具体的施策2.5時間
第4章 養生関係の基礎知識 1.5時間
第10章 関係法令 0.5時間
共通科目試験 0.5時間

 

専門科目
第5章 足場の基礎知識 2時間
第6章 専用足場 1時間
専門科目試験 0.5時間

 

第7章 システム足場 1時間
専門科目試験 0.5時間

 

第8章 建て方足場 1時間
専門科目試験 0.5時間

 

 

とび技能士

とび技能士は国家資格で、作業の段取り、足場の組立と解体、掘削、土留めなど
とび職の仕事全般に関する技能を認定します。

 

3級から1級まであり、3級は実務経験なしで受験することが可能です。
2級は実務経験2年、1級は経験や学歴等により必要な実務経験が異なります。

 

とび技能士の検定では学科試験と実務試験が行われます。
学科試験、実務試験どちらか一方のみに合格した場合
次回以降受験する際に合格した方の試験が免除されます。

 

とび技能士の実務試験は夏に行われることもあるため
体力的にもハードな試験であると言われています。

 

炎天下の屋外で2時間の実務試験をクリアするには
体力を十分に付けておくことが1つの合格へのポイントとなる試験です。

 

 

3級試験内容

学科試験
・施工法
・材料
・建築構造
・関係法規
・安全衛生

 

実技試験
・とび作業

 

 

玉掛け技能講習

工事現場などではクレーンで荷物を吊るして運びます。

 

クレーンにはフックがついておりフックに荷物をかけて移動させますが
フックに荷物をかけたり取り外したりする作業を「玉掛け」と呼びます。

 

玉掛技能講習は国家資格で、修了すると1トン未満~1トン以上のものまで扱うことができます。

 

受講資格は18歳以上であれば基本的にどなたでも可能です。
運転免許を持っていない方でも取得できます。

 

講習は学科講習が所有免許により9~12時間、実技講習6~7時間を受講し
学科と実技の試験に合格することで資格を取得できます。

 

一般的には3日間で取得可能です。

 

 

講習内容

クレーン等に関する知識:1時間
クレーン等の玉掛の方法:7時間
クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識:3時間
関係法令:1時間
学科試験1時間
クレーン等運転のための合図(実技):1時間
クレーン等の玉掛け(実技):1時間

 

 

資格の取得で仕事の幅を広げることができる

足場には組立て、解体に必須の「特別教育」のような資格もありますが
持っておくと仕事のレベルアップにつながったり
仕事の幅を広げることができる資格も多数あります。

 

ほとんどの資格は一度取得すればその後のキャリアで自分の技能を客観的に証明することができますので
知識を深めるため、活躍の幅を広げるために挑戦してみてはいかがでしょうか。