仮設足場は建築や外壁工事、プラント工事などさまざまな工事で必要不可欠なものですが、足場の組立て等に従事するためには取得が必須の資格もあります。
そこで、足場組み立てに関係する資格や内容について、また試験対策方法をご紹介します。
足場の組立て等特別教育
足場の組立て・解体・変更等の作業に従事する人は「足場の組立て等特別教育」を修了していなければなりません。
建設業界では足場からの転落、墜落などによる事故が多発しているため、労働安全衛生規則が都度改正されています。
特別教育の受講は平成27年7月1日の改正により義務付けられました。
「特別教育」を未受講のまま作業に従事した場合、罰則の対象となりますので、足場作業をする人は取得が必須となります。
特別教育には受講資格はなく、どなたでも受講可能ですが、年少者労働規則により「18歳未満の者は足場の組立て等の業務に就くことができない」とされていますので、18歳以上の方が前提となっています。
受講は可能ですが、修了証は18歳になってから発行されます。
足場の組立て等作業主任者
吊り足場、張り出し足場、または高さが5メートル以上の足場の組立て・解体・変更等を行う現場で指揮監督を行う際に必要な資格です。
「作業主任者」は労働安全衛生法に定められた国家資格で、「足場の組立て等作業主任者技能講習」を修了することにより取得できます。
受講資格は足場の組立て・解体または変更に関する作業に3年以上従事した人です。
作業主任者はよく特別教育と内容を混同されがちです。
作業主任者は高さ5メートル以上の足場などの現場で指揮監督を行う資格、特別教育は足場の組立て等に従事する人は足場の条件や現場のポジション問わず持っていなければならない資格です。
両者を間違えないようにしましょう。
足場の組立て等作業主任者能力向上教育
労働安全衛生法では作業主任者の資格保有者は「足場の組立て等作業主任者能力向上教育」も受講することが定めれています。
受講資格は作業主任者の資格を取得後5年程度経過した人です。
能力向上教育を受講してからさらに5年程度経過している人も受講する必要があります。
とび技能士
とび技能士は職業能力開発協会が実施している、とびに関する技能を認定する資格です。
とび作業の段取りや仮設建物の組立て・解体、掘削、土留め、地業等、とびに関する能力を認定します。
とび技能士には3~1級まであり、すべて学科試験と実技試験があります。
建築物等の鉄骨組立て等作業従事者
高さ5メートル以上の鉄骨や金属製の足場の組立て・解体等を行う現場で労働災害の防止のための指導監督者として従事するための資格です。
受講資格は建築物の骨組みまたは塔であって金属部の部材により構成されるものの組立て・解体または変更の作業に関する作業に3年以上従事する者、または土木、建築に関する画家を専攻・卒業していて
その後2年以上建築物等の鉄骨の組立て等の作業に従事した経験を有する者です。
足場点検実務者研修
足場は点検義務があり、十分な知識・経験を有する者が点検を行います。
その十分な知識と経験を有することを証明するのが足場点検実務者研修です。
受講資格は建設工事の施工管理の実務に3年程度従事した経験がある者、店社の安全衛生部門担当で工事現場の安全パトロール等の業務担当者として3年程度の経験がある者、事業者の代理人として足場にて作業を行う3年程度の経験を有する職長等です。
合計4時間の講義を受講することで資格を得ることができます。
仮設安全監理者
仮設管理者も足場点検の知識を証明する資格です。
全国仮設安全事業協同組合が開催する足場安全点検のプロとしての技能を認定する資格です。
仮設安全監理者の資格保有者は、建設現場で組み立てられた足場・型枠支保工等の安全点検を実施するために必要な専門知識を有しています。
受講資格は足場の組立て等作業主任者、計画作成参画者、建築士、建築施工管理技士、土木施工管理技士、技術士・技術士補(建設部門)のいずれかの資格を持っている方です。
足場の資格の勉強方法
足場関連の資格を取得しようと考えている方は働きながら勉強する方が多いのではないでしょうか。
日中仕事しながら空き時間を使って勉強していくためには無理のない方法で効率的に勉強することが大切です。
ここからはいくつかの勉強方法をご紹介しますので、ご自身に合った方法で対策していきましょう。
テキスト・過去問
最も一般的で取り掛かりやすい方法がテキストや過去問を使って勉強する方法です。
資格によっては書店で色々な種類のテキストが販売されていますので、使いやすいものを選んで使いましょう。
過去問も試験対策に有効です。
まだ学習しきれていなくても過去問は早い段階からどんどん解くことをおすすめします。
もちろん最初は点数が取れませんが、だんだんと点数が取れるようになってくるのでモチベーションも上がってきますし、試験の出題傾向が分かってきますので時間配分も自然と身に付きます。
過去問は過去3年分を最低3回ずつ解きます。
出来なかった問題をテキストを見てやり直して復習します
直近の1年分の試験のみ手を付けずにとっておき、試験直前に模擬試験として活用する方法も有効な対策方法です。
DVD
DVDは講義の動画が収録されていますので、テキストだけでは勉強しにくい方におすすめです。
分からない部分は繰り返し再生して視聴できますし、かけっぱなしにしておけば家のことをやりながら音声を聴くこともできますので、家事や移動をしながら学習ができます。
講習会
資格によっては講習会が開催されていることもあります。
講習会は生の講義を聴きますので集中しやすいですし、1人で勉強するのが苦手な方にはおすすめの方法です。
実技試験のある資格の中には実技試験対策の講習が開かれている場合もあります。
講習で実技試験の対策をしておけば本番も安心ですので、積極的に受けておきましょう。
資格を取得してキャリアの幅を広げましょう
足場の資格は特別教育のように取得していなければ仕事に従事できない資格もありますが、取得することで管理者として活躍できたり、仕事の幅を広げることができる資格もあります。
責任者などキャリアアップのためには必須の資格もありますので、まずは基本的な資格から取得していき、今後のキャリアをイメージして有利となりそうな資格は積極的に挑戦していきましょう。