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足場職人と鳶職人の違いとは?足場職人のキャリアパス


建設現場にはさまざまな仕事の種類があり、特に高所で専門の作業を行う職人を鳶職人と言います。
では、同じ高所で足場作業を行う足場職人と鳶職人の違いはどのようなものでしょうか。

 

この記事では足場職人と鳶職人の違いや鳶職人の種類などについて解説します。

 

足場職人と鳶職人の違いとは

鳶職人は一般的に日本の建設業における高所作業を専門とする職人です。

 

鳶職は古くは飛鳥時代から存在していたとも考えられており、江戸時代では大工、左官、鳶は「華の三職」と言われるほど華やかで人々の憧れの仕事であったとされています。

 

鳶職人は高所作業の専門職の総称で、足場職人はその一部となり、足場鳶とも呼ばれます。

 

鳶職人の種類

江戸時代の鳶職人に比べ、技術の発展や安全面への配慮により、鳶職人の作業内容は幅広いものになっています。

 

鳶職のなかにはさまざまな種類があり、それぞれ専門性が異なります。
代表的な鳶職人には次のようなものがあります。

 

足場鳶

足場を専門として作業する鳶職人で、足場職人のことです。
建設現場や外壁工事では足場の設置は欠かせません。

 

足場職人は建物に適した足場を設置し、ほかの作業者が高所で安全に効率よく作業をできるように環境を整えます。

 

足場は一戸建て住宅やマンション、中高層のビルといった建物だけでなく、イベントの会場設営や舞台ステージなどにも設置する場合があります。

 

鉄骨鳶

鉄骨造の建築物の建設において、鉄骨を扱う職人のことを鉄骨鳶と呼びます。

 

ビルやマンションの基礎の骨組みを仕上げる際、現場によっては数十メートルの高さまではしごを昇って作業することもあります。

 

地上で鉄骨などをクレーンで吊り上げる準備を行う「地走り」と高所で吊り上げた鉄骨をボルトで組み立てる「取り付け」に分かれて作業を行います。

 

専門性が求められ、足場鳶と同様に常に危険が伴います。

 

重量鳶

建物の大型機械などの重量物の搬入や取り付け、解体を行う職人のことを重量鳶と呼びます。

 

取り扱うのは重さ数十トン~数百トンにも及ぶ非常に大きな機械などの重量物ですので、搬入や取り付けには繊細な技術と専門性が求められ、足場鳶、鉄骨鳶よりさらに専門的な知識が求められます。

 

橋梁鳶

橋梁鳶は橋梁工事に関係する現場が多い職人です。
足場のない地上100メートル以上の作業や、船のクレーンに吊り上げられた鉄骨を固定して橋を作っていきます。

 

建築物に関わる鳶職は上方向に伸びる構造物の建設作業に関わりますが、橋梁鳶は横に伸びる構造物の建設に関わります。
特殊な作業も多く、専門的な知識も必要です。

 

送電鳶

送電鳶の正式名称は「送電線架線工」です。
高所で作業する電気工事士のことで、国内では4,000名ほどしかいない専門職です。

 

送電鳶は7,000ボルトを超える架空送電線を支える鉄塔に昇り、敷設や保守作業を行います。
足場を設置せずに高所作業を行うため、高い集中力と技術力が求められます。

 

足場職人のキャリアパス

足場職人の仕事は体力と高い集中力を必要としますので、年齢を重ねたときの働き方を考える人も多くいます。
もちろん、65歳を超えても現場で活躍し続ける職人もいますが、一般的には次のようなステップでキャリアを積んでいきます。

 

見習い期間

足場職人は一般的には足場を取り扱う会社に就職し、見習いからスタートします。

見習い期間中は足場組立の補助作業など、現場の仕事を手伝いながら作業方法や技術を学んでいきます。

 

ただし、高所作業は18歳以上と法律で定められているため、18歳までは高所作業には関わらない資材の運搬などの仕事を行います。

 

1人前の職人から職長へ

仕事を一通り覚えたら足場の組立て・解体作業を任されます。そして、1人前の職人として現場経験を積み、何年か経つと職長のポジションへキャリアアップしていきます。

 

職長は建設現場で指揮監督をする立場で、工事の工程や施工管理などを行います。

 

現場を統率し、工事が安全に行われるように全体の管理をする責任のある職務であり、現場のスタッフとのコミュニケーション能力なども求められます。

 

足場職人のキャリアアップのために必要な資格

現場の職長として働くためには資格の取得も必要になるため、足場職人として働きながら資格の勉強を行います。
職長には主に次のような資格が必要です。

 

足場の組立て等作業主任者

足場の組立て等作業主任者は、吊り足場(ゴンドラの吊り足場を除く)、張り出し足場または高さが5メートル以上の構造の足場の組立て、解体または変更の各作業現場で直接指揮・監督するための資格です。

 

建設現場の高所作業では足場を設置する必要があり、作業時の安全対策を図り労働災害を防止する必要があります。

 

事業者は足場の組立て等作業主任者技能講習を修了した者のうちから、各作業区分に応じて作業主任者を選任し、その者の指揮のもとに作業を行わせなければなりません。

 

建築物鉄骨組立て等作業主任者

建築物鉄骨組立て作業主任者は、「建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者」の略称で、建設工事現場で建物の根幹となる鉄骨の組立てや解体が行われる際に、作業方法や安全確保について監督・指揮する責任者です。

 

鉄骨の組立て作業では豊富な経験と十分な技能を身につけた人による指揮が必要です。

 

そのため、建築物の骨組み、鉄塔など、高さ5メートル以上の金属製の部材を使用する建築物の組立てや解体などを行う際には、作業の主任責任者を配置することが法令で義務付けられています。

 

職長・安全衛生責任者教育

製造業、建設業などの一定の業務においては新たに職務に就くことになった職長などに対し、職務を果たすため必要な能力を付与するものの1つとして職長教育の実施が義務付けられています。

 

建設業においては、安全衛生責任者の選任が義務付けられることがあり、職長が現場の安全衛生責任者を兼任することも多くあることから、建設業の職長は「職長・安全衛生責任者教育」の受講が必要です。

 

足場鳶は安全な建設現場に欠かせない職業

鳶職人は建設業ではなくてはならない花形の職業です。
なかでも足場鳶はその後の建設作業を安全に行うための足場を適切に設置する専門職です。

 

建設現場ではなくてはならない仕事ですが、一方で体力と高い集中力が必要です。
足場職人は将来のキャリアも見据えて必要な資格取得をしながら働くことが求められます。

 

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