-足場養生シートの1類・2類とは!?違い・使い分け方-
足場作業の安全性を確保するために必要な養生シートには強度により「1類」と「2類」が存在します。
今回は、養生シートの1類、2類の違いや使い分け方などについて解説します。
足場の養生シートとは
足場の養生シートは、安全を目的として使用する重要なものです。
足場上から資材や工具などの落下物の飛散を防止し、作業員や通行人の安全を守るほか、塗料や粉塵の飛散も防止します。
さらに、現場内で発生する騒音を軽減したり、足場からの墜落防止措置の目的でも養生シートは大きな役割を持っています。
養生シートにはいくつかの種類があります。
メッシュシート
メッシュシートは網目状になっており、風を通しやすいため、風が強い場所に足場を設置する場合に適しています。
一方で、メッシュシートは解体作業のような粉塵が発生する現場ではホコリの拡散を防げませんので不向きです。
防音シート
防音効果が施された養生シートで、解体工事などで騒音が発生する現場で音の拡散をある程度防げるほか、ホコリの拡散も防げます。
防音シートは風を通しにくいため、強風で足場が倒壊するリスクがあり、強風が起こりやすい地域以外で使用します。
防炎シート
防炎規制対象の建築物の工事では、防炎素材の養生シートを使用することが義務付けられています。
防炎シートは消防法令の防炎性能基準を満たしている製品を使用します。
養生シート1類と2類の違い
足場の養生シートには1類と2類があります。
両者の主な違いは強度で、日本工業規格(JIS)の認定基準「JIS A8952」に基づいており、仮設工業会の認定基準もこの規格に準拠しています。
1類
・引張り強さ×伸び…68.6KN以上
・重量4.8kgの足場用鋼管を4mの高さから自由落下させたときに貫通しないこと
・目が細かく風が通りにくい
1類は養生シートだけで飛来落下物による危害防止に使用します。
2類
・引張り強さ×伸び…0.59KN以上
・重量2.7kgの足場用鋼管を3mの高さから自由落下させたときに貫通しないこと
・主に塗料やほこり、資材などが飛散したために使用する
2類は養生シートと金網などを併用して飛来落下物による危害防止に使用します。
1類と2類の使い分け方
足場の養生シートの使い分け方は、「JIS A8952」で次のように規定しています。
1類…シートだけで飛来落下物による危害防止に使用するもの
2類…シートと金網などを併用して飛来落下物による危害防止に使用するもの
原則として足場用資材などの落下が予見できうる場合は1類メッシュシートを採用し、金網パネルなどを併用する場合は2類養生シートでも良いということになります。
また、足場用資材などの落下の危険性がなく、目隠し、塗料などの飛散防止の目的であれば2類メッシュシートのみの使用でも良いことになります。
養生シートの素材
養生シートは仮設工業会による認定基準があり、そのなかには素材に関する基準も設けられています。
養生シートのメッシュの網地材料などは合成繊維でかつ難燃性のものまたは防炎加工を施したもの、日本工業規格「JIS A8952」に定める防炎性を有するものである必要があります。
シートのはとめに使用する材料は強度、性能に均一性を有し、著しい経年劣化をきたいさないもの、縫込みロープを用いるものはこれがナイロンなどの合成繊維でなければならない、としています。
養生シートの防炎規制
防炎規制とは
「防炎規制」とは、昭和44年に消防法で設けられた規制で、劇場や百貨店、ホテルなどの不特定多数の人が利用する施設や高層建築物、地下街などでは、カーテンや絨毯、舞台幕などに消防法に基づいて防炎物品の使用が義務化されています。
工事現場では都市計画区域外の住宅以外の建築物における養生シートも防炎規制に含まれています。
養生シートに防炎物品を利用すれば、万が一工事現場で火災が起きても炎が広がりにくくなります。
養生シートの防炎加工の方法
養生シートに防炎加工を施す方法は次の2つの方法があります。
・繊維素材に防炎性能を持たせる方法
難燃アクリル、難燃ポリエステルなどの防炎加工が施された化学繊維の糸で作った製品で、布製の防炎加工証が縫い付けられています。
繊維素材に防炎性能がある場合は洗濯しても防炎性能が消えることはありません。
・製品にしてから防炎処理加工を施す方法
綿やレーヨン、ポリエステルなどで製造したシートに、あとから防炎加工を施す方法です。
この製品には紙製の防炎加工証シールが張り付けられています。
洗濯すると防炎性能が取れてしまうため、クリーニングの度に再加工の必要があります。
養生シートのサイズ
養生シートのサイズの単位は「1間」です。
1間は約1.82mとなり、養生シートでもこれをベースにサイズを展開しています。
養生シートのサイズは「1×1」「1×2」「1×3」というように表示されており、それぞれ単位は「間」です。
ただし、キリの良いように1間=1.8mとしているメーカーがほとんどです。
つまり、1×1サイズは、1.8m×1.8mとなります。
また、足場用の養生シートは足場に合わせた寸法で作られているものも多くあります。
足場で多く使用されているのは1間単位の1×1サイズと同じ、1.8m×1.8mサイズのタイプです。
また、足場と同様にインチサイズも販売されています。
足場の養生シートと層間ネットの違い
足場の養生シートは建築現場での落下物や破片の飛散を防ぐために使用します。
層間ネットは労働安全衛生規則で「防網」とも呼ばれる安全ネットの一部で、主に物の落下防止措置のために設置します。
足場では物体が落下した場合に備え、それらを受け止めるためにメッシュシートまたは層間ネットを設置します。
落下による事故防止のために、層間ネットは2重3重で対策を行います。
層間ネットは物の落下防止措置だけではなく、高所作業中に手すり、中さん、幅木などを外す必要がある場所や手すりなどが設けられない場所に設置することもあります。
しかし、手すりや中さん、幅木に代わるものではないため注意が必要です。
養生シートは現場により適切なものを使用する
足場養生シートの1類と2類の違い、使い分け方などについて解説しました。
足場作業の安全性を確保するためにも、足場の規模や用途に合わせて適切なシートを設置することが大切です。
また、足場の養生シートはシートそのものが基準を満たしていることはもちろん、設置の際にも設置基準を守って取り付けることが求められています。
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